【Interview】Vol.21 新作『PvP』を発表。ツアーもスタートした新生ZOC。彼女たちになぜ新宿歌舞伎町を感じるのか?

文:永堀アツオ
2021.06.26

“超歌手”を名乗るシンガーソングライターの大森靖子がプロデューサー兼メンバーして参加するアイドルグループZOC。2018年9月に結成した彼女たちは、2020年2月に開催された初の日本武道館公演をもって第2章へと移行。2021年5月に新メンバーとして、若干15歳の鎮目のどかが加入し、6人組の新体制となった彼女たちは同年6月9日にはメジャー1stアルバム『PvP』をリリースし、22箇所40公演に及ぶ全国ツアー「ZOC FOR PRAYER TOUR 2021 SUMMER」をスタートさせた。リリース週には渋谷の駅前に大看板が設置され、渋谷と原宿の街をラッピングバスが周回していたが、「MASH UP! KABUKICHO」編集部は<大森靖子といえば新宿のはず!>という思いでインタビューをオファー。全22曲収録というフルボリュームのアルバムの話を皮切りに、新宿や歌舞伎町という街に対する印象も聞いた

— まず、新体制がスタートした心境から聞かせてください。

西井万里那(以下、西井):ずっと体制を整えたいと思っていたので、今、すごく前向きに未来が楽しみだなと思って。毎日がめちゃくちゃ充実してます。

藍染カレン(以下、藍染):ZOCが音楽で世の中と真っ直ぐに向き合っていくためにはどうすればいいのかっていうことをずっと考え続けてきて。みんなで模索してきてたんですけど、ようやく今、音楽をしっかりと届けていける状態が整ったなって思ってます。

大森靖子(以下、大森):ZOCを始めたときは、プロデュースとメンバーで活動していこうっていうだけだったんですけど、なかなか運営がうまくいかなくて。メンバーと運営のやり取りでいろんなことがあった中で、自分が社長もやらなきゃいけないっていう状況になってしまって(笑)。(編注*ZOCは現在、大森が社長を務める事務所TOKYO PINKに所属)でも、やったことがないことにたくさん挑戦できたし、時間は思ったよりもかかってしまったけど、半年くらいかけて、やっとまっすぐに音楽を届けられる体制になったんですね。そこは、本当にみんなと同じ気持ちです。さらに、今のメンバーは自分もメンバーとして対等に切磋琢磨していける人たちなんですね。プロデューサーとして作った自分の楽曲の下に、また自分がプレイヤーとして、(メンバーで振付師の)り子ちゃんがつけてくれたフリを踊る。表現者として、メンバーとして、高めあっていけてる気持ちになれているので、今、めちゃめちゃ充実してて。ZOCが届けるべき仕事——音楽やステージ、芸術をやっていくところにやっと持ってこれたなっていうので、これからのZOCにはすごく自信がありますね。

鎮目のどか

— 鎮目さんは今年1月から開始されたオーディションを経て、5月に新メンバーとして加入しました。

鎮目のどか(以下、鎮目):皆さんが作り上げてきたものの中に自分が入るという形なんですけど、自分が加わったことによって、もっとパワーアップさせたいと思ってます。まずは、ライブを成功させるとか、ファンの皆さんの前にちゃんと立つっていうことを考えたいです。

— 新メンバーの鎮目さんはどんな方か教えてください。

西井:私はオーディションに一切、参加してなかったので、顔写真を見た感じだと、若くて可愛くて、おとなしそうな子だなと思ってたんですよ。でも、ZOCのYouTubeチャンネルでオーディション映像を見たら、ZOCに対して熱い思いを持って入ってきてくれたんだなってことがわかって。歌も上手でダンスもできて、こんなにもZOCのことが好きな人が入ってきてくれたんだって。ファンの人と同じタイミングで知ったんですけど、のどかを見る目が変わったし、今は未来に期待しかないですね。

藍染:私は二次審査のオーディションに立ち会ったので、そのときにのどかと初めて会って。顔が可愛くて、スタイルがいいんですけど、書類審査のときから、「アイドルになりたいんじゃなくて、ZOCになりたいんです。自分を表現できる場所はここです」って書いてくれていて。すごい熱意を感じたのが嬉しかったですし、ZOCに入ってからも、「ここの歌詞はどんな気持ちで歌うものですか?」って靖子ちゃんに聞いていたりするのを見てて。この子が入ってくれてよかったなって思ってます。

大森:書類の段階で強い目をしてましたね。自分をこう見せたいとか、どう見えるかなとかを一切狙ってない、まっすぐな写真で、すごくカッコいいなという印象が残ってて。ZOCに来てくれないかなと思ったけど、年齢を見て、若いよな、上京するのも大変だろうなって思ってたんですね。でも、のどかは前のめりで来てくれて。写真の印象と会った印象が全く変わらなかったんですね。いろんなものに対する探究心というか、知りたいという気持ちが強い。私たちがどういうことを考えてるのかを全部自分に吸収したいっていう気持ちがすごく伝わったので、面白い人だなと思ったし、自分の14〜15歳のときを思い出すことがあって。似てるなって思う部分もあるので、自分の音楽をこの人に歌ってほしいなと思って入ってもらいました。

— その似てるところというのは?

大森:私は愛媛県出身で、のどかちゃんは愛知県出身なんですけど、きっと周りには優しい人がたくさんいる状況だと思うんですね。でも、その中で、“私はほんとにここで生きていくんだろうか”とか。“これでいいのかな”とか感じてて。親にも友達にも東京に行くっていう発想もない中で、“自分はここじゃない”ってなったときの孤立感って、たぶん、すごくて。そういう孤独や違和感をずっと持ってきたんだろうなって思いました。

鎮目:……ありがとうございます。そう言ってもらえて嬉しいです。靖子ちゃんはオーディションのときから、のどかが言いたいけど言葉にできないもどかしい感情を全部わかってくれて。オーディションの映像にも残ってるんですけど、のどかの言いたいことを全部言葉にしてくれる、ほんとに神的な存在だなって思ってます。

— 他のメンバーはどう見えてますか。

鎮目:今までは歌って踊ってるところを見てる側だったんですけど、見てたときの印象とは違って、すごく明るくて面白いなって思うことが多くて。ライブやYouTubeの画面では伝わりきらないくらい、個人の考えもしっかりしてるし、それをちゃんと私に教えてくれるので、一緒にいてすごく心強いなって思ってて。……一人ずつ話すと、にっちゃんは動画見てた印象と、いい意味で同じで。

藍染:あはははは。違ってなかったぞ。

西井:うん、同じって言われる。

鎮目:でも、ほんとにしゃべりやすいです。カレンちゃんは、のどかが上京したときからずっとそばで面倒を見てくれていて。歌やダンスを教えてくれたり、服やコスメを一緒に買いに行ってくれたりしているので、ありがたいなって思ったし、カレンちゃんがいたから、今、こうやってできてるなって思ってます。まろちゃんは、のどか、まろちゃん推しだったんです。映像で見てると、可愛いアイドルだなって思うんですけど、実際に会って話してみると、ほんとに面白くて。普段から仕草も可愛いんですけど、しゃべってるところを見ると、ギャグセンが高いっていう印象で、いちばん印象が変わったのがまろちゃんですね。り子ちゃんはお姉ちゃん的な感じだなって思ってて。しゃべりやすいけど、学校のこととか、これからのことも相談に乗ってくれたりしてて。うまくアドバイスしてくれるので、いつもありがたいなって思ってます。

大森靖子

今、歌わなければいけない、表現しないといけないことがたくさん入っていて。

— ありがとうございます。そして、その6人でフルアルバムを制作しました。アルバムが完成した感想を聞かせてください。

藍染:このアルバムができたことで、これからのZOCも今までのZOCももっともっと拡張していけると思っているので、より多くの人に届くといいなと思ってます。

鎮目:ZOCに入ってすぐにアルバムに参加させていただけることにまず、ありがたさがあって。自分が歌わせてもらってるアルバムが、皆さんの元に届いて、いろいろな感想をSNSで伝えてくれているのが嬉しいです。でも、まだ、半分、実感がないのもあって。もっともっといろんな人に届いてほしいなって思ってます。

西井:靖子ちゃんの作る曲がほんとに大好きだから、それを22曲もアルバムにして出せるのが嬉しくて。もし私が一般の人として聴いていたら、好きにならないわけがないっていうくらい、私的にはいいなって思ってるアルバムだから、ほんとにマジでいろんな人に聴いてほしい。

大森:まずは、私がこのアルバムを作ってること自体に私自身が救われましたね。みんながこのレコーディングに向けて、曲を愛して、表現しようっていうことにすごく向き合ってくれた。そのエネルギーは尽きることがなかったし、文句も何ひとつ言わずに、楽しそうにやってくれたのが、ほんとに嬉しくて。そういうのが当たり前じゃない状況が長く続いてきたので、ほんとに救われる気持ちでした。特に、去年は結構へこんでいて。みんなが「曲が好き」って言ってくれて、曲を愛してくれるメンバーがいてくれてるっていうのがわかってても、「曲だけ好きなのかな?」って思っちゃうくらい(笑)、自分がへこんでいたんですね。でも、今は「曲が好き」って聞いて、「私も! 私も好き」って思える。自分の曲に対して、みんなと同じように、一緒に拡げたいなという気持ちになってる。それが、やっといいグループになれたんだなと思って嬉しい気持ちだし、このアルバムは、アイドルとしてだけではなく、普通にアーティストとして、今、歌わなければいけない、表現しないといけないことがたくさん入っていて。22曲という量もそうだし、歌詞も多いし、情報量がすごすぎるけど、和歌山から東京まで車で帰るスタッフさんが、「車の中で聴いていたら、和歌山から東京までが30分くらいに感じた」って言ってくれて。そう言ってもらえたことも嬉しかったし、早くいろんな人に届けたいなって思ってます。

西井万里那

— 全22曲という大ボリュームになってますが、それぞれからおすすめの1曲をあげてもらえますか。

西井:私、いちばん好きなのは「CUTTING EDGE」なんですけど、それを抜きにしたら「眼球にGO!」ですね。私が一般の人で「CUTTING EDGE」を聴いてたら、この曲を歌いたいな、羨ましいなって感じる。なんか、元気づけられたとか、勇気づけられたというと軽い言葉になっちゃうけど、ほんとにそんな気持ちになる曲だなって思います。お守りみたいな曲ですね。

鎮目:私もやっぱり「CUTTING EDGE」が好きです。この曲を初めて聴いたときから、自分に当てはまるような歌詞がたくさんあって。この曲を歌って踊るようになって、たくさんやってきたんですけど、ライブのリハーサルでこの曲をやると、自分はZOCになって、これから靖子ちゃんが作ってくれた音楽を届けていくんだっていう実感が湧いてくるんですね。改めて、頑張っていこうっていう気持ちにしてくれる曲だなって感じているし、いつ聴いても感動します。

— 自分と当てはまった部分というのは?

鎮目:<端っこで生きてきた/だから最先端も私なんだ><時代を作るのは/流行の顔面じゃない/見たことない女の子>というところですね。そうだなって思いました。

大森:「CUTTING EDGE」はのどかちゃんをイメージして描いたんですよ。特に今、本人が言ってくれた部分はそう。ただ、最初はのどかちゃんのために曲を描こうと思ったわけではなくて。曲を描かなきゃと思って描いていたら、のどかちゃんのことが浮かんで、だから、ZOCに誘ったくらいの曲になってますね。

— アルバムのリード曲になってますが、「CUTTING EDGE」といえば、大森靖子とZOCが所属しているレーベルの名前でもあります。

大森:そうですね。私はエイベックスのcutting edgeに所属していることも自分の役割だと思っていて。自分は最先端なことを切り取るのが仕事と思ってやってるけど、最先端で新しいものはみんな怖いから、怖い人って思われたり、恐れられる経験が長くあって。自分に追従したものの方が評価されたりするんですね。そこに穿った気持ちはなくて、ただ、「あ、早すぎたんだな」って思ってきたけど、私は端っこで生きてきたから最先端だし、だからこそ真ん中に立てるんだっていう思いがあるんですね。それはきっと、ZOCのメンバーみんなもあるし、世の中の人たちもそういう気持ちあると思う。誰が真ん中で、誰が端っこかは、見る人の観点でしかなくて、自分の人生の主観においてはそんなものは関係ないよなっていうのがあって。それをちゃんと描いて、自分を真ん中に見据えて、人に優しくしていくっていう。真ん中から開いていくZOCのロゴのイメージで作りました。これは、いろんなこと考えて作ったので、大森靖子個人で今までに歌ってきたことも入ってる。私の中では、ZOCは私の中の唯一の社会性で、大人になるという行為なので、社会の中で自分のやっていることを伝えていくための創意工夫もしてあるし、これで太刀打ちできなかったらどうしようかなっていうくらいに全部を詰め込んだ曲ですね。

ZOCのロゴ

— 西井さんはもう1曲、「眼球にGO!」をあげてくれました。

西井:シンプルに歌いやすくて。曲調がキャッチーだし、同じフレーズを繰り返すのが好きで。つい、口ずさんじゃう感じのメロディがすごく好きです。

大森:この曲は、殺伐としたネットの状況に疲れていたときにできたんですよね。ちょっと間抜けなことを言おうと思って、「カラコンの入れ方がわからないな」ってツイートしたら、同じことを考えていたカレンちゃんが、「下瞼と上瞼を抑えて、眼球にGOです」っていうリプライをくださって(笑)。

藍染:あはははは。くださって。

大森:「眼球にGO? なんじゃそりゃ!?」と思って曲を作りました。カレンちゃんは今まで歌で主軸となってきてくれたメンバーなので、トレーニング的な歌割りばかり与えてきたんですね。でも、カレンのこんなに美人なのに、ちょっと間抜けなところとか、可愛いところが魅力だと思っていて。そこを描いた曲がなかったなと思ったので、そういう曲にしたいなと思って描きました。理想的なカレン像を見てカレンを好きになってる人を見て、本当はもっと面白いのにな、もっとちゃんと見ればいいのにって思ってる曲ですね。

藍染カレン

— 藍染さんは自分の言葉が曲になったことをどう感じてますか。

藍染:私が言ったことが曲になるのがすごく嬉しいことだったので、レコーディングには気合を入れて挑みました。私は理想の自分に自分を押し込める癖があって。それも楽しいんですけど、私の生身のままを見てもらう機会はそんなになくて。可愛いこととか、恥ずかしくてチョケちゃうんですね。だから、いつもはできないけど、こんなにポップで可愛い曲なので、堂々と可愛いができたらいいなと思ってます。

— そんなカレンさんのおすすめは?

藍染:1曲目の「CO LO s NA」です。こんなにカッコいいおしゃれな音で、今、全員が思ってることを歌ってて。<MUSIC足りない/ONLINE足りない>っていうフラストレーションがメインの曲なんですけど、みんな思ってるでしょ? なんで言わないの? ってことを曲にしてくれて。それを大声で叫べることが楽しくてしょうがないです。パフォーマンスをしてて、ほんとにそうだよなって思ってます。

大森:何も考えずにいつも考えてることを描いてますね。でも、こういうことを曲にする人が意外にいないなと思って。いう方がナンセンスみたいになっちゃってて。私はそうでありたくないなと思ったんです。このコロナと向き合って、ちゃんと音楽に残していくことの方が絶対に真摯だと思ってて。それをちゃんとやってくれるメンバーがいて心強いです。で、私自身がやってて楽しかったり、ほぼほぼ自分の気持ちでできるのは「①④才」ですね。

— 自分の気持ちなんですね。のどかさんをイメージして描いたのかと思ってました。

大森:これは自分ですね。新メンバーを入れた体制でアルバムを出すって決めたときに、今までの曲があって、違うメンバーで歌った曲もあって、新しいメンバーで歌う曲もあってというようにバラバラになってるんじゃなくて、この6人でレコーディングしているっていう状態にしたいなっていうのがあって。新曲をとにかく描かなきゃいけなくて。3日で6曲くらい描いたんですけど、その中でやっぱり、ライブで深くに行ける曲って、自分のいちばん奥底の部分を掘りださないといけないし、そういう場面転換的な曲がどうしても欲しくなって。アルバムなので、心の奥とか、外側とか、いろんなところに行ける、振動やモードをいろいろ調整できるなって思ってて。普段は自分の経験100で描くことはないんですけど、この曲はいちばん濃度100で作れたし、自分だなって感じがするので、私は歌いやすいです。

藍染:これ、私、冒頭を歌わせてもらってるんですけど、どうしても私は歌うときにツッコミがちというか。“ゴリゴリに歌う”という意味で「ゴリる」って言われるんですけど、「ここはもっと細く弱くやってみてくれないか」って言われて。どうしたらいいかなと悩みながら歌ってたら、首を絞めてたんですよ(笑)。首を絞めたまま、レコーディングしてて。でも、ちょいちょい小声で「もっと絞めてください」って言われて(笑)。自分で聞いたことのない声だったんですけど、そのあとは、しばらく私は下のパートを歌ってるんですよ。みんなの後ろでべったり張り付いて歌ってる感じがして。難しいけど、心地いい曲です。リハが楽しいので、生でのパフォーマンスが楽しみですね。

— 本記事が掲載される頃には全国ツアーが始まってます。(2021年6月10日〜)3ヵ月という長期に渡りますが、どんなツアーになりそうですか。

大森:アルバムを引っ提げてのツアーだし、体制が固まってのツアーになってて。見た目には、6人組になったんだっていうことくらいかもしれないけど、スタッフや環境を含めて全部、これからいける! っていう状態で進んでいるので、自信を持って、いいものですって言えるし、音楽も踊りもカッコいいし。何も恥じることがないので、それを直接、日本全国に空気の振動で届けにいける喜びがあるし、長いツアーの中でこれからのZOCというものを固めて、もっともっと強固なものにしていきたいなって思ってます。

西井:あたし、こんなに全国を回るのが初めてなんですよね。行ったことのないところにもたくさん行く。ライブをしてると、その地方の空気感みたいな。地方によってお客さんのオーラが違うから、そういうのをうちらも楽しみにいきたい。

藍染:この規模のツアーをさせてもらうのは私も初めてで。長いこと熊本に住んでいたので、ZOCをはじめてから初めて凱旋ライブができるので、九州は異常にそわそわしてるんですけど、自分がいたところに音楽を届けにいけるっていうのが感慨深くて。もちろん、他にも、行ったことのない地域がたくさんあるので、直接、持っていけるということで強い意気込みを持って行きます。あとは、やっぱり数が多いので、絶対に全員めちゃめちゃ成長できるだろうなって思ってるし、ツアーが終わるまで、1個1個丁寧に駆け抜けたいと思ってます。

鎮目:自分が入ることによって新しいスタートにしたいなって勝手に思っちゃってるし、見てる人に期待されてる中で、こんなもんかって思われたくないと思ってて。今できることを一生懸命にやって、ツアーが終わる頃にはたくさん成長していきたいなって思ってます。

— ソロもありますか。

大森:ソロもありますね。あと、いっぱい回るので、まろちゃんは、「靖子ちゃんの曲が好きで入ってきたから、靖子ちゃんの曲を一緒に歌うコーナーもやりたいな」って言ってて。り子ちゃんが思いっきり踊れるコーナーもあって。それを、自分の思い入れのある場所でやるのもいいなって思ってます。

藍染:ライブのセトリもすごいですよね。

大森:セトリは毎回、変えようと思っているので、全国を追っかけても楽しいかなと思います。

— のどかさんのソロは曲も?

大森:まだないですね。どんなのがいいですか?

鎮目:ええー。(照れながら)靖子ちゃんは思うように作ってくれたらなんでも嬉しい。

大森:可愛い! あはははは。

他の街は、その街のイメージの人がいるけど、新宿はいろんな人がいるなって思うんですよね

— 最後に、歌舞伎町についての印象もお伺いできますか。

大森:私は東京に来てから、職場もライブハウスも、全部、歌舞伎町で過ごしていたくらい好きですね。新宿に行って歌を作りたいっていう気持ちがあったし、「新宿」っていう曲も作ってて。なんか、他の街は、その街のイメージの人がいるけど、新宿はいろんな人がいるなって思うんですよね。西口と東口でもいる系統の人が違ったりして。ずっと新宿にいたので、新宿を練り歩きながら曲を作るのが大好きですし、思い入れが強い街です。

— 武道館公演ではソロの即興パートで<ときどき歌舞伎町に行かないと幸せがわからない>と歌ってましたね。

大森:「パーティードレス」という曲の一部ですね。<パーティーがはじまるよ/あの夜を越えて/わたし綺麗かしら>って、歌舞伎町で働く人も思ってるかもしれないけど、アイドルも思うよなって。今のパーティーがあるのは、あの夜のおかげっていう。そんなひどい夜があったとしても、それは人生に必要なものだったっていう歌が1曲作れればいいなって思っているので、「パーティードレス」という曲は武道館で歌いたかったんですね。

— ちなみに「①④才」で出てくる<音が汚い/こういう街まじで嫌いだ>の街は?

大森:渋谷です。でも、呪いは祈りなので、今、渋谷は自分の中では祈りです。

— 続いてカレンさんはいかがですか。

藍染:今日、歌舞伎町で撮影するので、ギラギラのメイクに変えてきたんですよ。私、昔からZOCになぜか歌舞伎町のイメージを持ってて。それは、昔よく言われてた、治安が悪いとかじゃなくて、なんか、なんか似てるなって思ってて。さっき靖子ちゃんが言った言葉で腑に落ちたんですけど、いろんな人がいるっていうところが似てるんだなって思いました。

西井:私は庭です。みんな、いろいろ言ってますけど、結局、渋谷派なんですよ。うちはガチで新宿派すぎて。

大森:渋谷嫌いだよ。

西井:(無視して)みんな、渋谷に買い物行きがちなんですけど。

大森:一切行かないよ。

西井:(無視して)いや、私、ガチで新宿にしか行かない。

大森:私もだよ。

藍染:負けたくないのか。

大森:あはははは。新宿マウントめっちゃ取るじゃん!

西井:(無視して)ガチガチ。にっちゃんも、渋谷付近に住んだらいいのにって5万回くらい言われてきて。

大森:あれ? にっちゃんの世界にうちらいない?

西井:私の知り合い、みんな渋谷に住んでて。

大森:ああ、にっちゃんの周りが多いんだ。

西井:うんうん。でも、私は絶対に新宿から離れないです。今、飼ってる猫もすぐそこで買いましたし。

大森:歌舞伎町のペットショップでね。つくねちゃん。

西井:歌舞伎町を軸にいつも拠点を考えてる。これはガチです。

藍染:あはははは。初めて聞いた。

大森:これは見出しですね。<歌舞伎町を軸にいつも拠点を考えてる>。でも、ちょっと今回のアルバムの看板、歌舞伎町にあればいいなって思った。あははは。

西井:渋谷は渋谷でいいんですけどね。さっき、「新宿にZOCがいないな」って言ってたんですよ。

藍染:寂しいよね。ホストの看板の横とかに欲しい。

大森:バニラのトラックの後ろにつきたい。

西井:トラックも渋谷と原宿を走ってたから。

藍染:<バ〜ニラバニラ〜><誰を殺〜す>ってやりたい。

西井:のどかは上を見ながら歩いてたよね。

鎮目:初めて来たんですけど、思ってたよりも大きくて、道も広くて。初めてこんなとこ来たって、ちょっとワクワクしてました。あと、ビル風が強かったです。

西井:「前髪が崩れちゃう」ってやってたのが可愛かった。

— (笑)歌舞伎町で行ってみたい場所や気になる場所、好きな場所はありますか。

鎮目:「つるとんたん」。美味しい美味しいってみんな言ってるから、行ってみたいなって思ってます。

藍染:にっちゃんが連れてってくれるんだよね。

西井:そう。歌舞伎町の「つるとんたん」は避難場所です。

藍染:なかなか連れてってもらってないんだよね。

西井:忙しくてさ。でも、まじ、映えるよ。器がでかいから。絶対に連れてくから。

藍染:私は「天下一品」が好きなので、西口にある「天下一品」によく行きます。あと、ガチャガチャ眺めるのが好きです。やらずに、見てるだけで満足しちゃいますね。東口だと歌舞伎町の「ドンキ」によく行きます。ぎっしりしてる「ドンキ」が好きなので、歌舞伎町の「ドンキ」がいちばんぎっしりしてるイメージです。

西井:私は、なんだかんだ、東口で売ってるカットフルーツのメロンを食べたことないなと思って。

大森:あははははは。私もないよ。

西井:あそこでメロン食べてるのって、大体埼玉の人らしいんですよ。私、埼玉の人なんだけど、<メロン食ってるヤツら みんな埼玉人>っていう歌詞の歌があって。確かにあそこでメロンを食べてるの埼玉人だなって思って。私、東京に住んでから、食べようと思ったこと一回もなかったから。やっぱ、東京に住んでから、あそこのフルーツを食べてみたい。

大森:私は毎月、今でも新宿LOFTでライブをしているし、月一のイベントも新宿ロフトプラスワンでさせていただいていて。その向かいにある喫茶店「クール」のカレーがいちばん好きなカレーです。でも、歌舞伎町を抜けて、伊勢丹前の横断歩道を渡る瞬間が、自分が生き抜いて、頑張ってやってる感がして、すごく好きですね。あと、昔、「マジックミラー」という曲で、歌舞伎町の前のホコ天で撮影したんですけど、そのあと、何年かして、都庁の仕事をして。「東京都の曲を作ってください」って言われて、「東京と今日」っていう曲を作ったんですよ。東京都の動画として、都庁のすごい高いところから歌ってるMVを撮影したときに、ちょっと大人になったなって思いました。「あ、東口から西口に来れたんだ」と思って。それで、また歌舞伎町にくると、歌舞伎町にいるときの方が謎にキラキラした気持ちになったりとか。そういうのがいいなと思います。

— 藍染さんにはメイク特集をお願いしたいですし、西井さんと大森さんにもまた街の思い出を詳しく聞きたいです。

西井:歌舞伎町愛が伝わってる! 嬉しい。

大森:やったー。いくらでも語りますので。また呼んでください。今のマネージャーとも10年前に、歌舞伎町のスラムのようなところで出会って、今、一緒にZOCをやってるので。

西井:腹くくって話しますわ。

大森:じゃあ、私も腹くくろうかな。

藍染:いや、二人ともさらにくくるつもりなの(笑)。どこまでいくんだ、怖いな。

PvP

ZOC / 藍染カレン、西井万理那、巫まろ、雅雀り子、鎮目のどか、大森靖子

シンガーソングライターの他、エッセイ本の発刊、アイドル番組の審査員など、多種多様な活動を広げそのため自らを「超歌手 大森靖子」と名乗り活動をしている大森靖子。そんな彼女がアイドルグループにプロデューサー兼メンバーとして参加。 それが「ZOC」である。「ZOC」とは” Zone of Control” の略でありゲーム用語。簡単にいえば、ゲームにおける「支配領域」の概念のこと。 このユニットにおける「ZOC」とは “Zone Out of Control” として、大森靖子が常に提唱している「孤独を孤立させない」の 意味を持たせ「孤立しない崇高な孤独が共生する場所」と定義し、活動を続けていく。 大森靖子が全楽曲の作詞・作曲を行い、雅雀り子が振り付けを考えている。完全なセルフプロデュースを行っているアイドルグループである。

HP

【Interview】Vol.21 新作『PvP』を発表。ツアーもスタートした新生ZOC。彼女たちになぜ新宿歌舞伎町を感じるのか?

text:永堀アツオ
photo:荻原大志

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